関節リウマチについて

 関節リウマチは、何らかの原因で体の免疫に異常が起きて、自分の体の成分を異物とみなして攻撃してしまう病気です。このような病気は「自己免疫疾患」と呼ばれます。

 症状はおもに関節にあらわれ、痛みや腫れが左右の関節に対称的に出るのが特徴です。その他に、朝起きた時に関節が動かしにくい「朝のこわばり」を感じる患者さんも多くいらっしゃいます。また、関節リウマチの症状は関節に出るばかりではなく、肺や心臓などさまざまな臓器に対しても炎症の影響が現れることがあります。炎症が続くと、だるい、微熱が続く、疲労感といった体全体の症状にもつながってしまいます。

 関節リウマチで、痛みなどの自覚症状以外に注意しなければいけないのが、「関節破壊の進行」です。関節での炎症が続くと次第に骨や軟骨が壊され、そのまま放置しておくと関節全体が固まったり、変形してしまうことがあります。さらに、このような進行は病気の初期から起こってくることがわかってきました。したがって、早期診断、早期治療が大切です。

 現在、関節リウマチの治療をするうえで第一に考えるのは、関節破壊の進行を止めることです。そのためには炎症の程度をみるだけでなく、定期的にレントゲン検査を行って骨や軟骨の様子をチェックします。また、薬物による治療も関節リウマチの発症の早期から積極的に行うようになってきました。痛み止めだけではなく、免疫を調節する薬による治療が中心となります。最近では、生物学的製剤が登場し、より関節破壊の進行を抑制することができるようになってきました。

 関節リウマチは早期診断が大切です。関節リウマチを疑わせるような症状があるようでしたら、早めにリウマチ専門医に相談してみてください。