腰部脊柱管狭窄症

 腰部脊柱管狭窄症とは、腰の神経が通っている管(脊柱管)が狭くなり、神経を圧迫して様々な症状をだす病気です。主な原因は老化現象(変性)であり、60~70歳以降の方に多くみられます。

「歩くと足がしびれてくるけど、前かがみで1~2分休むとまた歩けるようになる」、「自転車ならいくらでも楽にこげる」、「手押し車を押すと楽に歩ける」、こんな症状があったら腰部脊柱管狭窄症かもしれません。

 前かがみになるとなぜ楽になるのでしょうか?前かがみの姿勢になると神経の圧迫が軽減され、神経の中を通っている血管の血流も良くなって症状が楽になります。

 治療には、内服(消炎鎮痛剤、神経への血流を良くするお薬など)、点滴(神経への血流を良くするお薬)、ブロック注射、コルセット装着、リハビリ、手術などがあります。患者さんの症状、活動性により選択される治療方法は様々ですが、排尿障害や下肢の麻痺が高度な場合には手術が必要になります。しかし、点滴・ブロック注射で症状が軽減し、日常生活を差し支えなく過ごしている方も大勢いらっしゃいます。

 「歳だから」と言ってあきらめることはありません。是非、この疾患の専門である「整形外科」を受診し、相談してみてください。適切な治療を見つけ出してくれると思います。