五十肩(肩関節周囲炎)

 肩関節を構成する骨、軟骨、靭帯や腱などが老化することが基盤になり、肩関節の周囲に炎症が起きること(肩関節周囲炎)が主の原因と考えられます。中年以降、特に50歳代に多くみられるため五十肩とも呼ばれます。

 動かす時に痛みがあり、夜にズキズキ痛み眠られなくなることもあります。痛いためにあまり動かさないでいると肩の動きが悪くなってしまいます。髪がとかせないとか、ズボンの後ろのポケットに手が入らないとか、服を着替えることが不自由になるなど、当てはまることがあれば五十肩かもしれません。

 自然に治ることもありますが、放置すると日常生活が不自由になるばかりでなく、癒着して動かなくなる(関節拘縮または凍結肩)こともあります。急性期には、消炎鎮痛薬の内服や湿布などの外用貼付剤や注射が有効です。夜も眠れない、日常生活が本当につらいという時期には、注射をすると非常に楽になります。ステロイド剤と局所麻酔剤の混合液や高分子ヒアルロン酸ナトリウム製剤を注射します。急性期を過ぎたら、温熱療法(ホットパック、入浴など)や運動療法(拘縮予防のアイロン体操など)のリハビリを行います。これらの方法で改善しない場合は、手術(関節鏡など)を勧めることもあります。

 初期に適切な治療をしないと、症状を長引かせたり悪化させることもあります。肩の痛みを感じたら、早めに整形外科を受診することをお勧め致します。