「腰椎椎間板ヘルニア」への神経ブロック療法

 椎間板は、背骨と背骨(椎体)の間にあってクッションのような役割をはたしています。この椎間板が加齢などにより変性し断裂して飛び出し、神経を圧迫して症状をだすのが椎間板ヘルニアです。悪い姿勢での作業、喫煙が原因となることもあります。

「腰やお尻の痛み」、「腰を曲げると太ももやふくらはぎにしびれるような痛みが走る」、「足に力が入りにくい」などの症状があったら腰椎椎間板ヘルニアかもしれません。一般的には腰痛よりも片側の臀部から足にかけて痛むことが多いです。

 痛みが強い時期には、安静を心がけ、コルセットを装着します。また、消炎鎮痛薬を飲んだり、神経ブロック(神経の周りに痛みや炎症を抑える薬を注射する)を行い痛みを和らげます。痛みが軽くなれば、牽引を行ったり運動療法を行います。これらの方法で良くならない場合や下肢の脱力、排尿障害がある時には手術を勧めることがあります。

 一般的に、腰椎椎間板ヘルニアの90%程度が保存的治療により軽快すると考えられています。したがって、急を要する場合以外は、3ヵ月間の保存的治療を行うのが原則です。しかし、激しい痛みを伴う場合、長期間がまんすることはつらいものです。その時は神経ブロックの適応であり、少しでも痛みを和らげるように努めます。

 腰椎椎間板ヘルニアでお悩みの方は、是非脊椎・脊髄専門医に相談してみてください。適切な治療方法を選んでくれると思います。