関節リウマチの進歩する薬物治療

 関節リウマチは、何らかの原因で体の免疫に異常が起きて、自分の体の成分を異物とみなして攻撃してしまう病気です。このような病気は「自己免疫疾患」と呼ばれます。

 症状はおもに関節にあらわれ、痛みや腫れが左右の関節に対称的に出るのが特徴です。その他に、朝起きた時に関節が動かしにくい「朝のこわばり」を感じる患者さんも多くいらっしゃいます。また、関節リウマチの症状は関節に出るばかりではありません。炎症が続くと、だるい、微熱が続く、疲労感といった体全体の症状にもつながってしまいます。

 10年前まで関節リウマチの薬物治療は、「痛み」や「腫れ」などの症状を抑えるだけのものでした。その後、関節リウマチの原因である免疫の異常を抑える「抗リウマチ薬」が登場したことで、薬物療法は飛躍的に進歩しました。さらに、最近では、関節の破壊を防ぐ「サイトカイン阻害薬」という新しい薬が使われ始めています。関節の破壊を止めることで患者さんのQOL(生活の質)を高めるだけでなく、痛みや腫れなどが消える「寛解(かんかい)」の状態まで回復する患者さんが増えています。

 関節リウマチの薬物治療は進歩しています。現在でも、新しい「サイトカイン阻害薬」の開発が進められています。関節リウマチ専門医に相談し、最新の治療を受けることをお勧め致します。