整形外科と整骨院(接骨院)の違いとは

 患者さんからするとどちらも同じ様なもので、明確な違いをご存じないかもしれません。

 整形外科では医師(整形外科医)が骨・関節・筋腱(運動器)・手足の神経(末梢神経)・脊椎脊髄の治療を行います。診察による理学所見とX線(レントゲン)、MRI、CT、血液検査、その他の必要な検査をもとに診断し、病状や病態にあわせて投薬、注射、手術、リハビリテーション等で治療します。

 整骨院(接骨院)では柔道整復師が捻挫や打撲に冷罨法、温罨法、マッサージや物理療法等の施術を行います。柔道整復師は医師ではなく、あん摩・マッサージ師、はり・灸師と同じ医業類似行為の資格です。外傷による捻挫や打撲に対する施術と骨折・脱臼の応急処置が業務範囲で、変形性関節症・五十肩・腰痛・肩こりのような慢性疾患は取り扱えません。整骨院(接骨院)に健康保険を使って外傷以外の疾患で通うことは違法です。

 柔道整復師の資格は医師免許と異なります。骨折や脱臼も取り扱っているようですが、あくまでも出来るのは「応急処置」だけです。柔道整復師法第十七条で「医師の同意を得た場合のほかは脱臼又は骨折の患部に施術をしてはならない」となっています。柔道整復師は、レントゲン撮影や読影などの医療行為を出来ないので、骨折や脱臼はまず整形外科にかかるのが基本です。

 整形外科医は、運動に関わる骨・関節・筋肉のスペシャリストです。きちんと検査をして医師の診断を受けて治療していきたい考える方は、まずは整形外科を受診すべきです。