成人期扁平足

   転んだくらいで、まさか寝たきりなんて?ところが65歳以上の寝たきりの原因は、脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など)に次いで多いのが、「転倒・骨折」なのです。骨折で特に重症になりやすいのが、股関節を構成する大腿骨頚部骨折と背骨の圧迫骨折です。骨粗鬆症になりやすい女性に多いのが特徴です。たとえ骨折しなくても、打撲による痛みや持病(腰痛・膝関節痛など)が悪化し、過剰な安静をしいられて体機能・生活機能が低下し寝たきりになってしまう人も多いのです。

   ではなぜ転倒してしまうのでしょうか。原因は大きく分けて、内的要因と外的要因があります。内的要因は、足腰の筋力や神経の反射速度が衰えることに加えて、視覚や聴覚、平衡感覚も鈍るからなのです。さらに、持病や疾病があるとより身体機能が低下し、転倒しやすくなります。外的要因は、環境整備の不備です。

   対策としては、持病や疾病の適切な治療・リハビリテーションを受けて、内的要因を軽減すること。デイサービスでの筋力訓練や転倒予防教室を積極的に利用することも必要です。外的要因に対しては、転倒しないように自宅環境を整備することです。段差解消、手すりの設置、絨毯やマットがめくれないように固定をしたり電気製品のコードを束ねたりなどの工夫も必要です。歩行器・押し車を積極的に使用し、自宅外での転倒防止も大切です。