「健康寿命」という言葉をご存知ですか?健康寿命とは、健康上の問題のない状態で日常生活を送れる期間のことです。平均寿命は男性で79.55歳、女性で86.30歳ですが、健康寿命は男性で70.42歳、女性で73.62歳です。平均寿命と健康寿命の間には、男性で約9年、女性で約12年もの差があります。
自立度の低下や寝たきり、つまり要支援・要介護状態は「健康寿命」の大敵です。要介護や寝たきりは、本人だけでなく家族などの周囲の人にとっても問題になります。そして、その原因の第1位は「運動器の障害」だと言うことをご存知ですか?人が自分の身体を自由に動かすことができるのは、骨・関節・筋肉や神経で構成される「運動器」の働きによるものです。骨・関節・筋肉はそれぞれが連携して働いており、どれかひとつが悪くても身体は自由に動きません。運動器の健康を維持し、最後まで健康でいきいきとした生活を送りたいと誰もが思っています。
骨や筋肉の量のピークはおよそ20~30歳代です。骨や筋肉は適度な運動で刺激を与え、適切な栄養を摂ることで、強く丈夫に維持されます。軟骨や椎間板も、骨や筋肉と同様に適正な運動負荷が必要です。但し、過度なスポーツや過体重によって負担をかけ過ぎると、軟骨や椎間板は逆に痛んでしまいます。
運動器の能力の衰えは、自分でも気がつかないうちにひそかに進行していきます。将来に備え、手軽にできる片脚立ちやハーフスクワットなどの運動を継続して行い、すでに足腰などに痛みがある場合には早めに整形外科を受診して適切な対処を受けてください。そして、健康寿命を延ばしましょう!