足首の捻挫(足関節捻挫)

 足首(足関節)は、最も捻挫しやすい関節です。ほとんどは、足首を底屈して内側にひねった状態で、足の甲の外側に体重をかけた時に起こります。足首(足関節)外側の靭帯を損傷し、外くるぶし(外果)の前や下の部位に痛み、腫れ、圧痛を認めます。

 スポーツなどの他に、歩行時でも段差などで生じることがあります。捻挫は、関節に力が加わって起こるケガのうち、骨折や脱臼を除いたもの、つまりX線(レントゲン)で異常がない関節のケガは捻挫という診断になります。捻挫は靭帯損傷の程度によって大きく3つに分類されます。靭帯が伸びる程度の損傷を1度捻挫、靭帯の一部が切れるものを2度捻挫、靭帯が完全に切れるものを3度捻挫と定義しています。

 1度捻挫と軽い2度捻挫では、応急処置の基本と同様にRICE処置を行います。RICEとは、R:rest(安静)、I:ice(冷却)、C:compression(圧迫)、E:elevation(拳上)の4つの処置の頭文字を並べたものです。痛みや腫れ、内出血の程度からひどい捻挫である2度捻挫と3度捻挫では、RICE処置を行い、さらに2~3週間の装具やギプスでの固定を行います。また稀に、不安定性の強いものには手術を行うこともあります。

 日常生活で出来る予防方法は、①運動前に十分なウォーミングアップをすること。日頃からストレッチングを行い、筋肉の柔軟性を高めるとより効果的です。②足首を捻挫しやすい人は、予防のためにサポーターや装具を足首に装着し、関節を安定させると良いでしょう。