膝の関節にはもともと関節液という水が存在します。膝の水(関節液)は関節軟骨に栄養を与えたり、関節の滑りを良くする潤滑剤の役割をはたしています。関節の軟骨が擦り減ってしまった変形性膝関節症や関節リウマチ、何らかの外傷が原因となり、関節の水を作ったり吸収したりする滑膜で炎症が起きると水が溜まります。水が溜まる原因はこの滑膜での炎症であり、水を抜くと癖になって溜まるのではありません。炎症がおさまれば、水は溜まらなくなります。
お医者さんはなぜ水を抜くのでしょうか?溜まった水を抜いて痛みを和らげるだけではなく、抜いた水の量や色や濁りや粘り気を見ることで膝の中で何が起きているのかを診断するのに役立てます。また、水を抜いた後に炎症を抑えたり軟骨の潤滑を促す薬を入れる時に、その薬がうすまって効果が弱くならないようにするため水を抜くこともあります。
関節の水を抜いて薬を入れたとしても、炎症が続いている間は水は溜まります。何度も水を抜いて治療していると、それが癖になって水が溜まるのではと思ってしまうのかもしれません。決して癖になって水が溜まるのではありません。
膝の治療は長期間かかることも多く、根気強く治療を続けることが大切です。