中高年の運動のやり過ぎ

 「健康のために運動しよう」と最近では、中高年の方がスポーツクラブやジムに通ったり、ウォーキングやランニングをする方が多くなっています。「運動する」と言えば、健康的なイメージがあります。しかし、運動が良いからといって、自分の体力の能力を超えて運動のやり過ぎは逆効果になる場合があります。中高年の方で、運動している時に自分を追い込み過ぎてしまう人は注意が必要です。

 若い時とは違い、体の機能が低下しています。持久力、筋力、柔軟性などスポーツにかかわる全ての体力要素が低下しています。したがって、自分の体力レベルに合わせた運動計画が大切です。いつでも運動量を適切に保てるように、運動中は熱中し過ぎず常に自分の状態を客観的に見るようにしましょう。

 ウォーキングやランニングの場合は、距離を延ばせばそれだけ恩恵が増すというわけではありません。一定レベル以上になると、具体的には週48km以上のランニングは危険性を高めることが報告されています。米国の運動ガイドラインでは、適度な運動を週に150分行い、うち75分を活発な運動にあてることが推奨されています。

 運動をやり過ぎて「運動していても気持ちが良くない」、「普段と同じくらいの運動ができない」、「翌日に疲れが残っている」、「痛みがある」場合は、1日か2日運動は休み、その後はゆるやかに運動量を元に戻していくのが良いでしょう。

 理想は、健康のために30~40分の活発な運動を毎日続ける。但し、運動量が多ければ良いというものではありません。誰もが1日60分以上の運動を行わなければならない理由はありません。