指は腱によって曲げ伸ばしすることができます。指を曲げる腱には腱の浮き上がりを押さえる腱鞘(けんしょう)というトンネルがあります。指を曲げる腱と腱鞘の間で炎症が起こると、指のつけ根に痛みや腫れが生じます。
これを腱鞘炎と呼び、進行するとばね現象が生じます。これがばね指です。
指を曲げた状態から伸ばす時に、指の2番目の関節で引っかかるように感じますが、実は指のつけ根で腱が引っかかっているのです。 更年期の女性に起こることが多かったり、妊娠時や産後に生じることもあります。また、糖尿病や透析の患者さんにもよくみられます。
指の使いすぎにより腱鞘が肥厚したり腱が肥大し、通過障害を起こすために一層症状が強くなります。
治療ですが、まず保存療法が行われます。局所の安静で刺激を少なくし、消炎鎮痛剤の軟膏などを使用します。また、腱鞘内に局所麻酔剤入りステロイド注射をして症状を抑えます。保存療法で治らない時や指が曲がったまま伸びない時には手術を行います。手術は外来手術で行われ、小さな傷で腱鞘の一部を切開するだけです。 ばね指の早期では、指の関節がかたくなって関節の運動制限を起こすことは少ないです。しかし、進行すると運動制限が著しくなり、手術後も指のかたさが残ってしまうこともあります。
早期に治療するのが、少しでも早く良くなる方法です。ばね指を認めたら、なるべく早めに整形外科医に診てもらってください。